人間関係

義母から届いた和菓子の箱から出てきた「信じられないもの」と、義実家で目撃した切ない事実(2ページ目)

80代になる義父母が一軒家を処分し、近くのマンションに越してきた。思春期の3人の子どもがいて共働きだが、時間を捻出し食事の世話をしてきた。義父が入院している間に掃除にいってみると、私が作って渡していた食事が……

亀山 早苗

執筆者:亀山 早苗

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義父母の不在時に見てしまった……

その後、糖尿病は落ち着いていた義父だが、昨年末に家で転倒して骨折してしまった。義父が入院すると、義母は不安になったようだが、そこは気丈に対応しているフリをしていた。

「なるべくきちんと夕飯を届けたり、お義母さんがよければうちで一緒に食べましょうと誘ったりしていました。でもなかなか来ませんでしたね」

あるとき、時間のとれた夫が義母を連れ出した。たまにはふたり水入らずでランチでもしてきたら、とミツコさんが勧めたのだ。その間、彼女は義父母の家を掃除するつもりだった。

「ところが行ってみて大ショックでした。前日、義母に運んだ夕飯の料理がほぼ捨てられていたんです。どうやら義父は私の料理を好んでくれていたみたいですが、義母はあまり好みじゃなかったようです。だったら言ってくれればいいのに……。半分は捨てているおかずにお金を払っていたんですよね。なんだか虚しかった」

夫には言うまいと思ったが、今後のことも考えて、義母はどんな料理が好きなのか聞いてもらった。夫を通じて返ってきた答えは「何でもいい」だった。

義母の本心がわからず切ないまま

「おそらく私のことが好きじゃないんだと思います。もともと自立していた人だから、面倒を見てもらっているようなことになっているのが不本意なのかもしれません。でも、老いていくのはみんな同じ。もう少し甘えてくれてもいいのに」

縁あって義理とはいえ親子関係になったのだから、もう少し心を開いてくれればとミツコさんは思っていた。その後、義父が退院、リハビリが必要になってからも、ミツコさんはなるべく手を貸そうとしているが、義母には断られることも多い。

「それでも夕飯は運んでいます。義父は喜んでくれていますから。義母が食べていないことを義父も知っているのでしょうが、そこはもう、しかたがないですね」

夫も知ってはいるが、母を責めるわけにもいかないと思っているようだ。無理やり食べさせることもできないし、義母は義母で好きにさせておくしかないのだろう。

「一応、栄養を考えて作っているんですけどね……。まあ、言ってもしかたのないこともあるし、親切の押し売りをするわけにもいかないし。むずかしいところです」

ミツコさんのせつなそうな表情が印象的だった。
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